診断と治療のためのCOPDガイドライン/COPDの治療 薬物療法

COPDガイドライン

  • 安定期の管理
  • 薬物療法
  • COPDの病診連携

薬物療法

  • 薬物療法はCOPD患者の症状およびQOLの改善、運動耐容能と身体活動性の向上および維持、増悪の予防に有用である。
  • 薬物療法の中心は気管支拡張薬であり、その選択にあたっては、患者ごとに薬剤の治療反応性を検討し、重症度に応じて段階的に使用し、副作用に注意しながら治療を継続する。
  • 気管支拡張薬には抗コリン薬、β2刺激薬、メチルキサンチンがある。薬剤の投与経路は、作用と副作用のバランスから吸入が最も勧められる。治療効果が不十分な場合には単剤を増量するよりも多剤併用が勧められる。
  • 吸入ステロイド薬は中等度以上の気流閉塞を有し、増悪を繰り返す症例に対して、増悪頻度を減らし、QOLの悪化を抑制する。
  • 長時間作用性β2刺激薬 / 吸入ステロイド薬配合薬は、それぞれの単剤使用よりも呼吸機能の改善、増悪の予防、QOLの改善効果に優れている。
  • 長時間作用性抗コリン薬や長時間作用性β2刺激薬 / 吸入ステロイド薬配合薬は、閉塞性障害の進行や死亡率を抑制する可能性がある。

喘息合併COPDの管理

  • COPDの患者においては、喘息の診断の目安となる項目が1つでも認められ、かつCOPD以外の合併症が除外される場合には、喘息の合併を想定する。
  • 喘息の合併があれば、吸入ステロイド薬をCOPDの重症度にかかわらず、基本薬として投与する。
  • 「喘息予防・管理ガイドライン2012」に沿った段階的な喘息治療は、喘息症状の頻度と強度で治療ステップを当てはめ実行する。
  • ロイコトリエン受容体拮抗薬の使用も考慮する。
  • 喘息の合併に関する診断は、喘息に対する治療を実行して8~12週間を目安に治療効果により確定する。

全身併存症と肺合併症への対応

  • COPDの全身併存症および肺合併症は、疾患の重症度やQOL、生命予後に影響を及ぼすことから、その予防と治療が必要であると考えられる。
  • COPDの全身併存症には、心・血管疾患(虚血性心疾患、高血圧症、心不全、心房細動など)、骨粗鬆症、消化器疾患、抑うつなどがある。肺合併症には、肺高血圧症、肺炎、気胸、肺癌などがあるが、それぞれの疾患ガイドラインが存在する場合には、それらに準拠した治療を考慮すべきである。

増悪期の管理

増悪の定義・診断・原因

  • COPDの増悪とは、息切れの増加、咳や喀痰の増加、胸部不快感・違和感の出現あるいは増強などを認め、安定期の治療の変更あるいは追加が必要となる状態をいう。ただし、他疾患(心不全、気胸、肺血栓塞栓症など)の合併を除く。
  • 増悪は患者のQOLや呼吸機能を低下させ、生命予後を悪化させる。

増悪の予防

  • 安定期の患者には、COPDの増悪の予防と対処の方法について教育しておく必要がある。
  • 増悪の予防には、禁煙、ワクチン、吸入ステロイド薬や長時間作用性気管支拡張薬などが有効である。

予後

  • COPDの進行により生命予後は悪化するが、適切な管理を行えば予後の改善が期待できる。
  • COPDの予後因子には、年齢、性別、喫煙、呼吸困難の程度、1秒量(FEV1)、気腫病変の程度、低酸素血症、肺高血圧症、運動耐容能、身体活動性、栄養、増悪の頻度、全身併存症と肺合併症などがある。
  • 禁煙(エビデンスA)、インフルエンザワクチン(エビデンスA)、長期(在宅)酸素療法(LTOT/HOT)(エビデンスA)はCOPD患者の生命予後を改善する。長時間作用性β2刺激薬 / 吸入ステロイド薬配合薬や長時間作用性抗コリン薬の吸入は生命予後を改善する可能性がある。

『COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン 第4版』より改編

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